テレワークの需要が増え、改めて再認識され始めている「小規模オフィス」。
しかし一口に小規模オフィスといってもコワーキングやシェアオフィスをはじめ様々な形態があり、物件を選定する際に何を選び・何を見るべきかがわからないという方は多いのではないでしょうか?
そこで今回は小規模オフィスそれぞれの特徴と内見時にチェックした方が良いポイントをまとめました!
1.コワーキングスペース
1-1 コワーキングスペースとは
コワーキングスペースはオープンなワークスペースを共用するのが特徴のオフィスです。
業種を問わず様々な人がいる空間で作業することで、刺激を受けられたり、仕事に繋がるコミュニケーションが生まれたりすることが魅力として挙げられます。
また最新のおしゃれな内装、充実したサービスの施設が多いこともコワーキングスペースが人気の高い理由です。
1-2 こんな方におすすめ!
・従業員数が少ない会社の方
・設立年数の浅い会社の方
・オフィス家具が少ない方
・コストを抑えたい方
・他の企業との交流を考えている方
・外出が多い業務内容の方
・フリーランスの方
1-3 内見時のチェックポイント
ワークスペースに関して
✔オフィス形態の確認
→フリーアドレスなのか、固定席や個室があるのかなどを確認しましょう。
✔席数の確認
→席数が少なすぎると混雑時に利用できなくなる可能性があるので注意しましょう。
✔利用できる時間帯の確認
→営業時間や受付が開いている時間、土日祝日に利用できるのかを確認しておきましょう。
✔混雑状況、混雑する時間帯の確認
→内見時に会議室やフリースペースの利用頻度を聞いてみましょう。何時頃に利用する方が多いかなどを聞いておくと良さそうです。
共用スペース、サービスに関して
✔貸会議室の有無
→契約に会議室利用料金が含まれているのか、または利用時に別途支払いなのかを確認しておきましょう。会議室をほとんど使わない企業は、プランに含まれていないほうが良いでしょう。
✔トイレの個数が充分にあるかどうか
→トイレが少なすぎると不便なので注意しましょう。
✔受付対応があるかどうか
→受付の方がいるかチェックしましょう。受付の方が来客の際に取り次ぎしてもらえるか、会議室まで案内してくれるかなどを聞いておくと良いです。
✔フリードリンクのサービスがあるかどうか
→来客時のためにフリードリンクのサービス、または自販機が施設内にあると便利です。
付属設備に関して
✔ネット環境はどうか
→施設内の無料のWi-Fiが利用できると良いです。
✔電波状況はどうか
→個室を利用しない場合は、電話ブースがあると便利です。
✔レンタル備品が充実しているかどうか
→ACアダプタ、充電器、スクリーン、モニター、ホワイトボードなどの設備が借りられると便利です。
その他
✔来客時にアナウンスしやすいかどうか
→知名度のある物件や大通りに面しているか、1階に目印になる店舗があるか確認しておくと良さ
そうです。
2.シェアオフィス
出典:https://12shinjuku.com/gallery.php
2-1 シェアオフィスとは
シェアオフィスは同じワークスペースを複数の企業で共有する形態のことを指します。
オフィスフロアや設備は共用ですが、企業ごとにパーテーションや壁で区切られているので、プライバシー面も安心できるでしょう。
2-2 こんな方におすすめ!
・すぐに入居し、業務を開始したい方
・設立年数の浅い会社の方
・オフィス家具が少ない方
・コストを抑えたい方
・従業員数が少ない会社の方(3人以上)
・会社の支社としてオフィスを探している方
・外出が多い業務内容の方
・フリーランスの方
2-2 内見時のチェックポイント
ワークスペースに関して
✔机、イス等家具の有無
→家具付きの場合、有料か無料か確認しておきましょう。
✔間仕切りの状態がどうなっているか
→欄間(ランマ:間仕切りの天井付近の隙間)があるタイプは空気が通りやすい一方で遮音性が無いため、セキュリティ性を重視したい場合は要注意です。
✔エアコンの位置、台数の確認
→個室内にエアコンが何基設置されているか、温度設定できるコントロールパネルがあるかを確認しましょう。
✔採光がとりやすい方向に向いているか
→内見時に窓の外をブラインドを開けて確認するようにしましょう。隣にもビルがある、隣がマンションで開けづらいなどのケースもあります。日中に内見して採光や方角の確認をしてみましょう。
方角は好みで分かれ、北向きは日差しが入りづらい為好まれます。東と南も採光が良く人気です。
西向きは西日があるので、注意しましょう。
✔ブラインドがついているか
→ブラインドを後から設置するには、約5~10万の工事費が必要となります。元々設置されている物件の方が良いでしょう。
✔床状況の確認
→タイル、OAフロアなど床状況がどのようになっているか確認しましょう。床下の配線も要チェックです。
共用スペース・サービスに関して
✔トイレの位置や個数の確認
→個室の数、フロアごとの男女トイレの設置状況など確認しておきましょう。
✔貸会議室の有無
→会議室が無い場合、工事を入れなければならない場合もあるので注意しましょう。
✔喫煙所の有無
→喫煙所の設置があるかも確認しておきましょう。設置有りの場合、建物内か建物外なのか、利用可能時間帯も確認しましょう。
付属設備に関して
✔電波状況はどうか
→内見時に場所によって電波が入りづらい可能性がある為、携帯で確認してみましょう。
✔レンタル備品が充実しているかどうか
→ACアダプタ、充電器、スクリーン、モニター、ホワイトボードなどの設備が借りられると便利です。
契約条件に関して
✔水道光熱費が料金に含まれているかどうか
→個室の利用料金に含まれているか別途発生するか確認しておきましょう。
その他
✔館銘板がどこに表示されるか確認
→シェアオフィスの場合、エントランスかオフィス入り口かどちらかにある場合が多いです。
✔来客時にアナウンスしやすいかどうか
→知名度のある物件や大通りに面しているか、1階に目印になる店舗があるか確認してみると良さそうです。
3.マンションタイプ
3-1 マンションタイプのオフィスとは
事務所利用が許可されているマンションをオフィスとして利用することもできます。
業種や業務内容を選びますが、敷金など初期費用が安く抑えられる点や内装がある程度揃っている点が特長です。
3-2 こんな方におすすめ!
・初期費用を抑えたい方
・スタートアップ企業の方
・IT関係の会社の方
・来客が少ない会社
3-3 内見時のチェックポイント
ワークスペースに関して
✔収納の位置や個数の確認
→あまり収納スペースが多すぎるとオフィスしては使いづらくなってしまうので注意しましょう。
✔床・壁・天井の防音性の確認
→最近流行のコンクリート打ちっぱなしの壁や床はおしゃれである一方、音が反響しやすいので注意が必要です。カーペットを敷くなどの防音対策をしましょう。
✔エアコンの有無、位置の確認
→リビングには設置されているが、個室には無いという場合もあるので確認しておきましょう。
✔カーテンレールの有無
→無い場合は別途設置しなけらばならないので要チェックです。
✔採光がとりやすい方角に向いているか
→内見時に窓の外をブラインドを開けて確認するようにしましょう。隣にもビルがある、隣がマンションで開けづらいなど可能性があります。日中に内見して採光や方角確認してみましょう。
方角は好みで分かれ、北向きが日差しが入らなく人気です。東と南も採光良く人気です。
西向きは西日がある為、注意しましょう。
✔床状況の確認
→タイルカーペットなのかフローリングなのか確認と合わせてコンセントの位置も確認しましょう。物件によっては床に電源がある場合もあるので要注意です。
✔風呂場の有無
→風呂場はデッドスペースになりがちです。できれば無い方がオフィスとしては使いやすいでしょう。
✔トイレの数が充分かどうか
→マンションタイプの場合、トイレが1つしかない場合が多いです。社員の利用状況を想定し、支障はないかどうかチェックしておきましょう。また音漏れしにくいかどうかも確認しておいた方が良いでしょう。
物件によっては、共用部にだれでも使えるトイレがある場合もあります。
付属設備に関して
✔ネット環境の確認
→ネット回線が建物指定である場合や、建物のMDF(電話集合盤)まで来ており、そこから自身で引き込み必要なケースがあります。事前に聞いておきましょう。
✔電波状況はどうか
→内見時に自身の携帯で電波が問題ないか確認するようにしましょう。
✔電気容量
→IT関係の会社の場合、電気容量を必ず事前に確認しましょう。マンションタイプでは40〜50のアンペア数が一般的です(パソコン操作ができるくらいの容量)。
契約条件に関して
✔水道光熱費が料金に含まれているかどうか
→直接、電気ガス水道の事業者と契約して支払いが必要になるケースが多いです。物件によって変わるため確認しておきましょう。
その他
✔どのようなテナントが入居しているかの確認
→郵便受けや玄関扉を見て、事務所利用している人がいるのかどうか確認しましょう。
✔指定のゴミ置き場の確認
→敷地内にごみ置き場があっても事業用として借りる場合、使用できない場合もあるため確認しましょう。
マンションに入居する会社から出るゴミは事業系ゴミとなる場合があるので、その場合は建物外の道路に事業用回収シールを貼って出します。
4.バーチャルオフィス
4-1 バーチャルオフィスとは
バーチャルオフィスとは実際にはオフィスを持たず、住所のみを借りる形態のことを指します。個人事業やオフィス作業を必要としない企業が、登記や荷物受け取りのためにバーチャルオフィスを利用しています。
バーチャルオフィスの場合は内見はしませんが、オフィスの所在地は融資を受ける際の判断材料になるので、注意して選びましょう。
4-2 こんな方におすすめ!
・基本的に自宅で仕事をする方
→作業場が自宅でも、自宅に郵便物送ることは避けるべきです。バーチャルオフィスとして登記しておくのが良いでしょう。
・登記できないマンションオフィスに入居している会社の方
4-3 契約前のチェックポイント
✔登記可能かどうか
→登記可能な場合の費用を確認しておきましょう。
✔郵便受の有無
→荷物の転送サービスがある方が便利です。
✔会議室の有無
→会議室を利用したい場合は、事前に確認しておきましょう。
✔受付のスタッフがいるかどうか
→打合せも可能なバーチャルオフィスの場合、受付の方もいるケースがあります。受付可能な時間などもきいておきましょう。
✔銀行口座の開設ができるかどうか
→銀行に問い合わせをしておき、契約後に開設できないなどないようにしておきましょう。
契約に関して
✔入居前に審査があるかどうか
→審査がない物件だと誰でも登記できてしまうため、融資が受けにくくなる可能性があります。
その他
✔エリアイメージと業務のイメージが合っているかどうか
→バーチャルオフィスに登記する際、打合せができれば良いといって格安料金のところに登録される方もいらっしゃいます。しかしエリアによってイメージも変わる為、問題がないかどうか一度契約前に検討しましょう。
まとめ
小規模のオフィスは形態ごとに様々な特長があります。会社の事業内容に応じて、適した機能をもつ形態を選びましょう。
内見時には今回ご紹介したチェックポイントを確認しつつ、物件を選定してみて下さい!