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起業したら作成しよう!就業規則の作り方

企業のルールを明確にし、職場で起こりうる問題行動にも正しく対応するための基本となるのが「就業規則」です。

これは常時10人以上の従業員を雇用している場合に、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。

一方で就業規則を作るのが面倒と感じている方や、どのような手順で作成するのか困っている方も多いのではないでしょうか。

今回は就業規則の作成の方法や手順、やむを得ず不利益変更する場合の対応方法について説明していきます。

1 就業規則について

就業規則とは、社員が働く上で給与規定や労働時間といった労働条件、または従業員が遵守すべき職場内の規律やルールなどを企業がまとめた規則のことです。

企業が労働者を常時“10人以上”雇用している場合、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。

“10人以上”の対象となる労働者は、「正社員」「臨時的な雇用形態の職員」「短期的雇用形態の職員」「パートタイマー」「アルバイト」です。

ただし、「業務委託の社員」「派遣労働者」「繁忙期のみ勤務する臨時職員」などは“10人以上”の労働者には含まれません。

万が一、作成義務のある企業が就業規則を作成しない場合は、30万円以下の罰金が科せられますので注意が必要です。

労働者とのルールや約束事を明確にすることで、企業にとって抱えるリスクを減らし社員が仕事をしやすい環境を整えることができます。

2 就業規則の作成方法

2-1 就業規則を作成する上で記載すべき絶対的必要記載事項

就業規則を作成する上で、労働基準法により盛り込まなければいけない項目があるんです。それを「絶対的必要記載事項」といいます。

これには9つの事項があり、内容は以下の通り。

  • 労働日における始業と終業の時刻
  • 休憩時刻、休憩時間、その与え方
  • 休日となる日
  • 休暇(年次有給休暇、産前産後休暇、生理休暇、冠婚葬祭等の特別休暇など)
  • シフト制を敷いている場合は、就業時転換に関する事項(交代期日、交代時刻、交代順序など)
  • 賃金1(決定方法、計算方法)、賃金の決定要素、賃金体系
  • 賃金2(賃金の締め日、支払日、月給・週給・時給等の区分)
  • 昇給の時期とそのための条件
  • 解雇の事由を含む退職関連事項(退職手続き、解雇の理由、定年など)

これらの事項を記載しないと当然受理されることはありません。

2-2 場合によっては入れなくてはならない相対的必要記載事項

企業が退職金制度などを導入する場合に、「相対的必要記載事項」を就業規則に記載する必要があります。

これには10個の事項があり、内容は以下の通り。

  • 退職手当(適用される労働者の範囲、計算要素、計算方法、一時金か年金かの支給の方法と時期)
  • 退職手当を除く一時金、臨時の手当
  • 最低賃金額
  • 食費・作業衣・作業用品などの負担
  • 安全及び衛生に関すること
  • 職業訓練(訓練の種類、時期、対象者、訓練中の処遇)
  • 業務上及び通勤途上の災害補償、業務外の傷病に関すること
  • 表彰(表彰の種類、事由、手続き)
  • 制裁(制裁の種類、事由、手続き)
  • 休職、出向、出張旅費など

相対的必要記載事項は該当する制度を設ける場合に、必ずその事項を記載しなければならないので注意が必要です。

3 就業規則を作成する手順

就業規則を作成する上で大きく「原案作成」「従業員への就業規則の周知」「就業規則の届出」の3つのポイントがあります。

ここではそれぞれのポイントを紹介していきます。

3-1 原案作成

原案作成では、社労士や弁護士などの専門家に作成を依頼することをおすすめします。

このような専門家は就業規則の様々な知識やノウハウを持っており、作成するための良き相談相手となってくれるでしょう。

自分で作成することも可能ですが、ある程度知識がないと結局専門家に委託することになりかねません。

3-2 従業員への就業規則の周知

企業が就業規則を作成した際に、それを従業員に周知して初めて就業規則の効力が発揮されます。

ここでいう周知とは、「事前に労働者の代表者と意見を交わして就業規則を作成する」「従業員が就業規則の内容をいつでも知ることができる状態にしておく」の2つの条件が満たされていること。

これは労働基準法でも定められています。

具体的な周知方法としては「常に従業員の見やすい場所に掲示する。または固定の位置に備え付ける」「従業員に書面で交付」「磁気テープなどに記録し、なおかつ作業場に労働者が当該時期に記録した内容を常に確認できるための電子機器を設置」などです。

3-3 就業規則の届出

企業で作成した就業規則は社内で整備しておくだけではなく、労働基準監督署に届出をする必要があります。

法律上、具体的な届出の期限は設定されていません。しかし就業規則を作成した場合は、できるだけ日にちをあけずに、所轄の労働基準監督署に届出を済ませましょう。

就業規則の届出の際に必要となる書類は、「就業規則」「就業規則(変更)届」「意見書」があります。

就業規則を届出する際に、「規則内の目次」「前文」「附則」なども含めた状態で提出しなければなりません。また賃金や退職金などに関して別規定を設けた場合は、当該別規定も併せて届出する必要があります。

就業規則(変更)届には公式に定められている書式や様式はありません。

自分でA4の用紙などを用意して以下の、

  • 「就業規則(変更)届」のタイトル
  • 就業規則を届け出る旨の内容
  • 事業所の所在地
  • 事業所の名称
  • 使用者の職名および氏名

を記載し押印をしておきましょう。

意見書も就業規則(変更)届と同様に、公式に定められている書式や様式はありません。自分でA4の用紙などを用意して以下の、

  • 「意見書」のタイトル
  • 使用者の宛名
  • 就業規則案についての意見
  • 労働者代表者と印

を記載し押印をしてから、「就業規則」「就業規則(変更)届」「意見書」をまとめて、所轄労働基準監督署に提出しましょう。

4 労働条件や待遇をやむを得ず不利益変更する場合の対応方法

給料は基本的には一度昇給したものは下げることはありませんが、業績の悪化などを理由に下げざる終えない状況も考えられます。

このような明らかに従業員が不利益を受ける会社のルール変更を「不利益変更」と言います。この場合、通常の就業規則作成とは違い、対応には一層の慎重さが求められます。

社員の労働条件の中でも賃金や退職金などの、重要な条件を不利益に変更するケースには労働者の同意が必要とされているんです。

従業員の同意もなく一方的に給料を下げてしまえば、それ自体が無効になってしまいます。さかのぼって賃金を支払う必要があるので注意が必要です。

就業規則を作成・変更したりする場合、通常であれば社員の過半数代表者からの意見を聞くことが労働基準法にて定められています。

しかし給料などを下げるなどの明らかな労働条件を悪化させる場合には、「同意(合意)」を得ることがポイント。

就業規則の不利益変更を行う際は、説明会の開催などで社員へ変更の内容と必要性を十分に説明しましょう。さらに従業員と個別の労働契約書を作成し締結します。

このような条件悪化を伴う就業規則の変更は取り扱いを間違えると、従業員との大きなトラブルを引き起こす可能性があるため慎重に行動しましょう。

まとめ

今回は就業規則の作成方法と手順についてと、不利益変更の対応方法について説明してきました。

改めておさらいすると、

  • 就業規則とは、会社や従業員が守るべきルールを定めたもので、賃金や労働時間などが含まれています。常時10人以上雇用している場合、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が必要です。
  • 就業規則を作成する上で必ず記載すべき「絶対的必要記載事項」が9つ。また企業によっては該当する制度を導入する場合は、「相対的必要記載事項」を就業規則に記載する必要があります。
  • 就業規則を作成する上で「原案作成」「従業員への就業規則の周知」「就業規則の届出」の3つのポイントがあります。
  • また不利益変更をする際には社員の「同意(合意)」を得ることがポイント。

就業規則の作成や見直しの際に今回の記事が参考になれば幸いです。

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