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企業が行うインターンシップ制度とメリット・デメリット

今や多くの企業が導入している就活生に向けたインターンシップ制度。

学生にとっては社会や企業のリアルな雰囲気を体感できたり、実際の業務に携われたりなどメリットが多いことが魅力。

一方、企業側としては受け入れるための準備や、インターンシッププログラムの用意、また、給与支払いの必要も発生します。

では企業側からするとインターンシップ制度を実施する理由は一体なんなのでしょうか?

今回はそんなインターンシップについて、種類やメリット・デメリットなど、企業目線で解説していきます。

1 そもそもインターンシップとは

インターンシップとは主に在学中の学生が、「企業などの組織において経験を積むことを目的に労働すること」です。

就職活動をする大学生にとって、就職前にインターンシップを行うことで、企業の様子が分かる「職業体験」ともいえます。

学生にとっては様々な業界を知るきっかけになり、実際に入社を志望するかどうかの判断材料ともなる程。

企業側にとっても優秀な人材を獲得するチャンスでもあるので、双方にとって魅力的と言えます。

そんなインターンシップですが、実は100年以上前から行われていたそうです。きっかけはアメリカの大学で、教授が学生たちを地域の工作機械メーカーへ勤務体験させたことが発祥なんだとか。

その後、日本にも取り入れられ、一般企業に導入されたのは1997年頃だそうです。

文部省(現在の文部科学省)、通商産業省(現在の経済産業省)、労働省(現在の厚生労働省)の各省庁が共同で「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を発表。

当時はバブルが崩壊しており就職難の時期でもあったため、行政側も学生と企業を結び付ける施策を実施したいという考えがありました。

現在では学生と企業にとってとても身近な制度になっています。

2 インターンシップの種類

インターンシップは大きく「短期」「中期」「長期」で分類されます。

ここではそれぞれの違いや特徴などを解説していきます。

2-1 短期で行う場合

インターンシップを数時間〜1日行う短期での場合は、学生が実際の業務を深くまで経験することはほとんどありません。

対象者は大学3年生でセミナーを受講したり、グループディスカッションを行うことがほとんどです。

実際に働いている社員とのコミュニケーションや交流の場を用意することが学生にとっての魅力と言えます。

2-2 中期で行う場合

インターンシップを数日〜1ヶ月程度行う中期での場合は、「プロジェクト型」と「就業型」の2種類に分けられます。それぞれの内容は以下の通り。

  • 【プロジェクト型】企業が学生に「新商品開発」や「問題解決のための事業案」などの課題を与えるインターンシップ
  • 【就業型】社員と通常の業務を担当するインターンシップ

大学3年生が主な参加対象者となることが多いタイプです。

2-3 長期で行う場合

インターンシップを1〜2年程度行う長期での場合は、企業の通常の業務を社員と学生が一緒に進める就業型がメイン。

こちらは学年を問わないため大学1年生の採用も可能です。実際に企業の一員としてコミュニケーションをとり、実際の内部の雰囲気を体験してもらえることが学生にとっての魅力値に。会社としても業務を行ってもらえるため場合によってはプロジェクトの進捗が捗ることがメリット。

別名「有給インターンシップ」とも呼ばれており、時給や日給など給与が発生することも特徴です。

3 インターンシップのメリット・デメリット

3-1 インターンシップ導入のメリット

企業がインターンシップを開催することでのメリットは様々。

ここではインターンシップを導入することでのメリットを解説していきます。

3-1-1 学生とのミスマッチを防ぐ

企業側として最も防ぎたいのが学生とのミスマッチではないでしょうか。

前述のようにインターンシップを経験した学生にとっては、実際の社員との交流や会社の様子を肌で感じることは魅力の一つ。

その上で志望した学生は入社志望度が高く、内定の辞退率も低い傾向です。また入社後の離職も抑えることが期待できます。

3-1-2 優秀な学生の発掘

企業にとってインターンシップは優秀な学生を発掘できる場でもあります。

インターンシップを導入することで学生が就職する前に参加者の能力を試し、通常の採用選考では見抜くことが難しい優秀者を発掘できることが魅力。

優秀な人材は誰なのか、それを評価する機会を採用段階前に持てるということです。

そのような学生とコネクションを持つことは、企業にとってプラスになると言えるでしょう。

3-1-3 学生の能力や適正を判断できる

学生の能力や適正を判断できることもメリットの一つです。

採用した場合に、インターンシップでの経験を活かし即戦力になることも。また能力や適正を判断できるので、どの部署に配属すべきなのかの情報にも役立つと言えます。

また、インターンを通して学生が企業への理解度が高まることも魅力の一つ。採用してみたはいいが、すぐに退職されるなんてこともあります。

そのような企業と学生とのミスマッチを防げる点もポイントです。

3-2 インターンシップ導入のデメリット

インターンシップを導入することで企業としてメリットばかりではありません。

ここではインターンシップを開催するデメリットを説明していきます。

3-2-1 通常の業務に与える影響

学生を受け入れる際に、どの部署で誰が担当するのかなどを決める必要があります。

社会経験のない学生に対して、基礎的なビジネスマナーや企業理念など実際の業務のノウハウまで、一から説明し理解してもらわなければなりません。

また通常の業務時間の中で学生への時間を割かなければいけないため、インターンシップの意義やメリットについて、社員に理解と協力を求めることがポイントです。

3-2-2 広告費やコストがかかる

インターンシップを行う場合は募集するための媒体広告費などのコストがかかるケースがほとんど。

名前が知れ渡っている有名企業であればHPに掲載するだけで応募がくる可能性もありますが、全ての企業はそうはいきません。

各種就職情報サイトや情報誌など、学生の目に触れるメディアでの広告宣伝活動が必要です。

また業務内容によっては学生に支給するパソコンの手配や、遠方の学生が参加を希望した場合の交通費や宿泊費の手配も検討しなくてはいけません。

4 インターンシップ契約の注意点

長期のインターンシップを行う際に、気になるのが契約に関することではないでしょうか?

雇用契約ではない場合、法律でインターンシップ契約を書面で取り交わすことは義務付けられていません。

また、インターンシップ契約時に取り交わす契約書に明記すべき事項が法的に規定されているわけでもないんです。

しかし給与や会社の守秘義務情報のやりとりなどが発生するため、契約に関しての感度は当然持っておきたいところ。

ここからはインターンシップが開始したあとのトラブルを避けるためにも、契約書の注意点を解説していきます。

4-1 契約書に明記すべきポイント

インターンシップの契約書に明記すべきポイントは、以下の通り。

  • インターンシップを行う1日の時間帯、および就業場所
  • インターンシップの内容
  • インターンシップの期間
  • 期間中におけるインターンシップの終了事由
  • インターンシップ中の事故等に関する取り扱い
  • インターンシップの欠席に関する取り扱い
  • インターンシップの参加者の故意により生じた損害の賠償義務
  • インターンシップの参加者による秘密保持義務

最近ではインターンシップ用の保険もあります。就業中におきた事故や損害を保証するものです。

例えば学生がインターンシップ中に物を壊してしまったり、業務に関係するソフトやシステムを使用できない状態にしてまうことも想定されます。

このことから学生が所属している大学に、インターンシップ保険加入の有無を確認しておくことがおすすめ。

また、契約書においてインターンシップ保険加入を義務付けている企業も多いようです。

4-2 誓約書の準備も忘れずに

インターンシップには、契約書の他に誓約書を取得しておくこともポイントの一つ。

誓約書には以下のような内容の文章を記載しておくべきでしょう。

  • インターンシップ期間中は、その内容の習熟に向けて誠実に取り組むこと
  • インターンシップ期間中において知り得た企業の情報は、絶対に外部へ漏らさない

万が一、トラブルが発生した場合に誓約書を交わしておくことで証拠となります。また学生が業務への義務感を持つことで当事者意識を醸成できることも期待できるでしょう。

4-3 賃金が発生する場合の契約書の注意点

インターンシップにおいて、賃金が発生する場合の契約書は「雇用契約」となります。

雇用契約とは雇い主が雇った人に対して仕事を与え、その労働に対して報酬(給与)が支払われるという労働条件を明確にするために結ぶ契約のこと。

つまり、通常の雇用と同じ「労働関連法令」が適用される点に注意が必要です。

この場合には賃金・労働時間その他の労働条件を労働者に明示することが労働基準法第15条1項によって定められています。

契約書に記載することが、労働基準法施行規則第5条により定められているため確実に記載しましょう。

まとめ

今回は多くのインターンシップについて解説してきました。

インターンシップには「短期」「中期」「長期」で分類され、違いや特徴があります。また企業がインターンシップを行うメリットやデメリットも様々。

双方でリスクを回避するための法的手続きや社内リソースなど、考えるべき注意事項が多い制度でもあります。

ですがお互いにとって有益なインターンシップになれば、当然ながら大きなメリットが期待できます。

是非インターンシップ制度を活用した人材戦略も検討してみてくださいね。

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