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近年のバズワード「エコシステム」について知っておこう

近年バズワードとしても認識されている「エコシステム」。

なんとなく聞いたことはあるけど実際にどう捉えればいいのか、どうビジネスに反映したらいいのかイマイチ分からない…なんてことはありませんか?

今回は理解が深まるよう、エコシステムについてまとめてみました!

1 エコシステムとは

エコシステムは、元々は生物学の用語。「生態系」を意味する言葉のこと。

地域や空間などの特定の領域の生き物や植物が、お互いに依存しながら生態を維持する関係のようすをエコシステムと呼びます。

ですが近年におけるバズワードとしてのエコシステムは「ビジネス生態系」を指す言葉として使用されていますね。

すごく簡単にいうと、

「複数の企業が商品開発や事業活動などでパートナーとして活動し、互いの技術や資本を活用しながら、開発業者や代理店、販売店メディア、消費者、社会などを巻き込み、業界の枠や国境を超えて広く共存共栄していく仕組みのこと」

と表現することができます。

2 エコシステムにおける「関係性」

生態系には「直接的な関係」「間接的な関係」の2つの関係性が存在します。

直接的な関係とは、「一方にとってもう一方がなくては生存できない」という直接的な関係のこと。

間接的な関係とは、「お互いにとって必ずしも必要不可欠な関係ではなく、共生関係を築いている状態」を間接的な関係と呼びます。

これをビジネスに置き換えてみるとわかりやすくなります。

わかりやすい例としてアパレル/繊維業界が挙げられます。パタンナー、ボタンなどの付属品、生地、染色、縫製、販売流通など、基本的には各セクションにそれだけを担当する企業があり、それらが垂直につながることで、メーカーは衣服を売ることができます。

このような経済構造は「垂直統合型」と呼ばれます。

「アパレルメーカーは生地屋さんがいないと服を作れないし、生地屋さんはアパレルメーカーから発注がないと仕事がない」という依存関係にあり、「直接的な関係」と呼ぶことができます。

3 生態系における「キーストーン種」

生物学の生態系では「キーストーン種」という言葉が存在します。

コスモス国際賞を受賞したワシントン大学名誉教授 ロバート・トリート・ペイン博士の有名な実験「ヒトデの野外実験」が代表的な例と言えるでしょう。

これは「海の岩場からさまざまな生物を取り出して観察、その後また戻す」という実験のこと。

ここで発生したことは、特定のヒトデをすべて取り除いたらその一帯の生き物が絶滅したということ。

この実験結果を元に、ペイン博士はそのヒトデがそのエリアの生態系になくてはならない、極めて非常に重要な存在である「キーストーン種」だと発表しました。

このキーストーン種はヒトデに限らず、生態系の様々なところで発生しているそうです。

4 ビジネスにおけるキーストーン種の存在

ビジネスにおけるエコシステムにもキーストーン種は存在します。

代表的な例としてはGAFAMのような巨大なプラットフォーム企業でしょう。

もしこれら1社でもなくなった場合、その関連企業、その製品を作っていた企業も非常に大きな損害を受けるでしょう。

プラットフォームを持つことによってキーストーン種となったGAFAMはこの状況を活用し大きな利益を上げています。

「代替えのきかないサービスの提供、企業体質へ進化することでその領域のキーストーンとなれるかどうか」はエコシステムを語る上で非常に重要な観点と言えるでしょう。

5 エコシステムの事例

5-1 Apple

もっとも代表的な例として語られるAppleのエコシステム。

Appleのエコシステムは製品とコンテンツサービスの2つの形に分類することができます。

まずは製品のエコシステムから。

Appleが販売しているiPhone、iMac、iPadといった端末製品は、チップ、スクリーン、カメラなどなどのたくさんのパーツから形成されています。数々の部品を企画し、制作し、組み立てるまでには当然ながら多くの企業が関係しており、それぞれが利益を得ています。Apple Store以外の販売企業についてもAppleのエコシステムとして考えられるでしょう。

次にコンテンツサービスのエコシステム。

AppleはiTunesやAppStoreなどのサービスを提供し、そこでは映画や音楽やアプリなどなどなどたくさんのコンテンツが配信されています。

コンテンツの活用は端末を提供しているApple、コンテンツをリリースした企業、コンテンツを活用するユーザーがエコシステムに組み込まれ、それぞれがメリットを得ている状態になっています。

この2つのエコシステムの中心にはもちろんAppleが存在していますが、重要なのは「Appleが独占的に利益を獲得しているわけではない」ということ。

こうした相互的利益が発生するスタイルはエコシステムの代表例と言えます。

5-2 Google

GoogleはAppleと近しいエコシステムを形成しています。

検索サービス、広告以外にも端末、OS、ネットワーク、プラットフォーム、コンテンツサービスなど各シーンでさまざまな企業と連携しています。

総務省による平成24年版の情報通信白書では、これらのエコシステム戦略が紹介されたことも。

総務省|平成24年版 情報通信白書
東日本大震災の発生は我が国の社会経済に大きな影響を与えた。

5-3 Amazon

Amazonはお買い物ができるECサービスのみならず、様々なサービスを展開しています。

  • デバイス(Amazon Echo、Kindle、Fire TV、Dash Buttonなど)
  • OS
  • ネットワーク
  • プラットフォーム
  • コンテンツサービス

などなど各分野で強力なエコシステムを構築しています。特にAIスピーカー「Amazon Echo」においては、他のAIスピーカーよりも一歩先をいくシステム作りを進めているようです。

現在のAIスピーカーマーケットの主力は、Amazon「Amazon Echo」、Apple「Apple HomePod」、Google「Google Home」、LINE「LINE Clove WAVE」などがあり、これらは各社が特徴を出しながら開発を進めています。

Amazonの「Amazon Echo」にも搭載されている音声アシスタントである「Amazon Alexa」の機能拡張のために用意された機能はなんと1万種類以上。「Alexa」は、Amazonの配信するコンテンツを視聴するための「Fire TV」などにも搭載されており、両者の機能拡張はユーザーにとってのメリットと新たなサービスの展開に非常に大きく貢献しています。
さらに、

  • 小型スピーカー「Echo dot」
  • スクリーン画面のついた「Echo Show」
  • カメラ搭載の「Echo Look」

などなど「Amazon Echo」を多くの用途で使える可能性のある商品を展開することにより、エコシステムを構築しています。

まとめ

今回はエコシステムに関してご紹介してきました。

抽象度の高い言葉ですが、日本における三方良し(さんぼうよし)と捉えると分かりやすいかもしれませんね。「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」が正しく揃うことをイメージするとエコシステムの解像度が上がるのではないでしょうか?

たくさんの企業がそれぞれに築き上げたエコシステムはどのようなものなのか?という観点でビジネスを眺めてみるのも面白いかもしれません。

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