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ビッグデータって何?基本概念やデータ活用の歴史など

近年では「ビッグデータを活用する」などといった言葉をよく耳にしますよね。

ですがこのビッグデータ、一体なんのことなのでしょう?
意外としっかりと答えられる方は少ないのではないでしょうか。

今回は現代のビジネスにおいて非常に重要なキーワード、ビッグデータに関してまとめてみました。

1 ビッグデータとは?

よく勘違いされがちですが、「ビッグデータ」は「大容量のデータ」「たくさんのデータ」を意味する言葉ではありません。

近年注目されているビッグデータ活用は、「これまでは収集、管理できず見過ごしてしまっていたようなデータ群を記録・保管して解析し、新しい観点を発見。それをビジネスなどに活用し新しいサービスの創出や、既存サービスの最適化を行う」といった概念で認識されています。

実は明確な定義も存在せず、ビジネスでデータを扱う場合におけるマーケティング用語として活用されている傾向にあります。

主だった特徴としては、

  • 様々な種類・形式が含まれる非構造化データ・非定型的データ
  • 日々膨大に生成・記録される時系列性のあるデータ
  • リアルタイム性の強いデータのまとまり

など、単一的なデータではなく、そのビジネスを取り巻くデータ群のことを指し示します。

また、総務省のHP内でもビッグデータに関しての項目があります。

総務省|平成24年版 情報通信白書
ビッグデータとは何か。

2 ビッグデータを活用する目的と3つのメリット

業界によって、ビッグデータの活用方法と効果は様々。

ビッグデータ活用の文脈では、基本的には下記の3つのメリットが考えられます。

2-1 正確性の高い現状把握

かつてのビジネスはデータや事実を元にした意思決定よりも、事例や感情的な意思決定が優先される傾向が強くありました。

しかしデータ活用の重要性が広く広まると共に、様々なデータの収集、分析が求められるようになりました。
ビジネスや組織全体の現状や課題などを可視化することができ、より適切な意思決定を行うことが可能になります。

2-2 より確度の高いソリューションの創出

ビッグテータ活用ではデータの収集がゴールではありません。

データ分析やデータマイニングを行い、法則性やアラートを発見、そこから課題を特定することが求められます。

解決策はこの抽出された事実に基づく課題から設計されるため、より解決確度の高い施策を展開することが可能になります。

2-3 新しいマーケット、ビジネスへの展開可能性の発見

既存ビジネスでは狙っていないターゲットなど、時として「意外なメリット」を発見することができるのもデータ活用の強み。

「このようなユーザー層は何を求めていたのか」という仮説を設計しやすくなるため、新しいビジネスへの展開、発展も可能に。

3 ビッグデータを構成する「3つのV」

「ビッグデータ」という概念が普及したきっかけは、2000年代初頭。

業界アナリストのダグ・レイニー(Doug Laney)氏が、ビッグデータの定義を3つのVで表現したことから始まりました。

  • 量(volume):かつては大量のデータを保管、ましてや活用することは非常に難易度が高いことでした。ですが現代のビジネスは非常にたくさんのチャネル、ソースからデータを収集することが可能です。
  • 速度(velocity):データをリアルタイムで処理することや、鮮度が高いうちにそのデータを解釈、次のアクションにつなげることが求められます。
  • 多様性(variety):様々なサービス、テクノロジーの登場によりデータ多様性が増しています。多様性あるデータを取りまとめ、本質的な部分はどこかを意識する必要があります。

4 ビッグデータ活用事例

企業がビッグデータを活用してビジネスを促進させた例は多々。
主だった事例を3つご紹介します。

4-1 スシロー

回転寿司チェーンを展開するスシローでは、すべての寿司皿にICタグをとりつけ、レーンに流れる寿司の鮮度や売上状況を管理しているそうです。

いつ、どの店舗で、どんな寿司がレーンに流れ、それが食べられたのか、どのテーブルでいつどんな商品が注文されたのかなどのデータをなんと毎年10億件以上蓄積。
このデータを活用することで需要を予測し、レーンに流すネタや量をコントロールしているんだとか。

4-2 楽天

様々なショッピングサービスでも導入されている代表的なレコメンド機能。この機能を活用するだけで30%の売上向上を見込めると言われています。

楽天はビッグデータを分析し、「ランキング頻度が高いほど売上は増加し、ジャンルが細かいほど全体の売上が増加する」という分析結果を抽出しました。

この分析結果を元に更新頻度の短縮と、ジャンルの細分化を実装。
結果として売り上げ向上へ寄与しています。

4-3 ダイドードリンコ

消費者の視線を分析し、商品の配置を変更した例として有名なダイドードリンコ。

人の視線は「Z」の字のように移動するという「Zの法則」に従い、主力シリーズを自動販売機の左上部分に配置していました。

ところが自動販売機にアイトラッキングを取り付けて調査したところ、自動販売機に限っては下段に視線が集まるというデータが。このデータを活用し下段に主力製品を配置。
結果として売り上げが前年比1.2%増となりました。

5 世界で初めての本格的なビッグデータ活用はいつ?

国が目的を持って行った調査により得られる大量のデータは、ビッグデータと言っても過言ではありません。
国を統治するための実情を正確に把握するデータ調査は、なんとローマ帝国時代にも行われていたようです。

しかし、当時はデータを適切に解析するという技法は今ほど発展していませんでした。
そのため統計学的な手法を用いた中世以降がビッグデータ活用のスタートと考えられるでしょう。

特に画期的だったのは人力に頼った解析から、機械を使用した解析が行なわれた1890年のアメリカでの国勢調査。

アメリカでは、10年ごとに国勢調査を行っています。 1880年に行われた調査では集計に7年を用し、その当時の移民による人口増加を考慮すると1890年の調査集計には10年以上もかかると予想されていました。

そこで、政府は集計を短縮する方策を公募。

そこでホレリスが考案したパンチカードと電気作表システムが採用されたことにより、集計作業がなんとわずか18ヶ月で終了したことは有名です。
このホレリスの考案したシステムは、後にパンチカードシステムとして日本の国勢調査でも使われることになりました。

このことをビッグデータ分析の観点から見てみると、

  • 目的を持って集収されたデータであること
  • データの種類が多岐に渡ること
  • 人力では処理できない大量のデータであったこと
  • 明確な解析技法があったこと
  • 短期間で解折することができたこと

と様々な条件が揃ったものでした。
アメリカの1890年国勢調査は、現在にも通じる本格的ビッグデータでもあったと言えます。

余談ですがホレリスの考案したパンチカードシステムは、その後他の国の国勢調査でも使用されました。日本では1920年の最初の国勢調査で使用されています。

そしてホレリスがこのシステムのために興した会社がIBMの前身となっていきます。

6 ビッグデータに関する主な出来事

前述のパンチカードシステムは、1890年のアメリカにおける国勢調査以後発展し、大量データの解析に非常に強いツールとなっていきます。
しかしながら、同じカードを何度も使用することもあって、人手による操作が必要不可欠でした。

ここからデジタル化への波が徐々に大きくなっていきます。

6-1 1960年代 コンピュータの普及

1960年代からコンピュータの普及がどんどん広がっていきます。パンチカードシステムもコンピュータを活用するようになりました。

最初にカードにパンチされたデータを入力することで、その後にわざわざ同じデータのカード入力が不必要になり、プログラミングを行うことで効率的な集計や見やすいデータの作成が可能に。

このようなこともありビッグデータの解析に積極的にコンピュータが活用されていきます。
日本でも、1961年に総理府統計局に国勢調査の集計用としてコンピュータが導入されています。

6-2 1970〜80年代 BDMSの登場

1970~1980年代には、国や大企業のみならず、民間も含めてコンピュータの導入が広く進みます。たくさんの仕事がコンピュータを活用したものに変化していきました。

同時に業務で使われるデータも増え始め、データを管理することが不可欠に。
そこで登場したのがデータベースマネジメントシステム(DBMS)です。

これにより多くのデータを管理、可視化、活用することが可能になりました。

BDMSでは、社内業務の目的に沿って設計、構築されてきました。
ですが当時は企業の意思決定にはまだまだ不十分なところも多くあったようです。

6-3 1990~2000年代 データウェアハウスの出現

1960~2000年には、データを扱うことの重要性が広く認知されました。
企業の様々なデータを一箇所に集中して集めるデータウエアハウスと呼ばれる概念が出現したのもこの時期です。

コンピュータの高性能化と低価格化や、データを蓄積するハードディスクの高密度化も重要なトピックです。
さらに、ソフトウェアの技術も進み、種々のデータ解析が可能になりました。データウエアハウスのような大量データの蓄積を一般企業が行えるようになったのもこの時期です。

データマイニングやOLAP(Online Analytical Processing)などのデータを扱う技術もどんどん発展し、企業の意思決定にデータがより有効に使われるようになっていきます。

DBMSやデータウエアハウスで蓄積されたデータも有益なビックデータの一つとして扱われるようになっていきます。

6-4 2000年代以降〜現在 インターネットの普及と発展

データはある限られた範囲内でしか収集しておらず、データ量については飛躍的な増大にはなかなか至りませんでした。

しかし2000年以後インターネットが広く普及、スマートフォンの登場もあり個人の様々なデータがネットワーク内で展開されるようになりました。

このこともあり蓄積されるデータ量も飛躍的に増大することになりました。

さらにこれは個人だけではなく企業においても同様の流れを見せます。
企業のマーケティング活動にも当然ながらインターネットは不可欠になってきました。
プライベートでもビジネスでも、データ量の飛躍的増大に拍車がかかります。

このような流れもあり現代ではビッグデータ活用がより目を向けられるようになってきています。

まとめ

今回はビッグデータの基礎知識や事例、歴史などについてまとめてきました。

データを扱う専門家でない限り、なかなか解像度高くビッグデータを考える機会が少ない方も多いのではないでしょうか?

今回の内容がわずかでもビッグデータ活用のトピックとしてお役に立てば幸いです。

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